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DAOとは?|事例を交えて【徹底解説】

DAOってそもそも何?
DAOでは何ができるの?

今回の記事ではこういった悩みを解決します。

✔️本記事の内容

1.DAOとは
2.DAOの事例
3.DAOの課題
3.DAOの未来

一つ一つ解説していきます。

DAOとは

DAOの特徴を解説していきます。

「これがDAOだ」という定義はまだないのあくまで僕なりの定義です。

DAOとは

Decentralized Autonomous Organizationの頭文字をとってDAO。

日本語に訳すと、自律分散型組織です。

自律的かつ分散して運営されている組織をDAOと言います。
イメージが湧きにくいと思うので、DAOの特徴を解説していきます。

①中央集権者がいない

中央集権者というのは、簡単に言うとリーダーみたいな人の事です。

例えば、皆さんが働いている会社には社長がいますよね。つまり、決定権は社長や株式会社の場合は株主が持っています。
そのため、一般社員の意見や提案は通りにくく、通った場合も決定までに時間がかかります。

しかし、DAOの場合は違います。

DAOにはリーダー(中央集権者)が存在しません。

ここで、疑問が出ます。

じゃあ、組織の運営とかプロジェクトの決定は誰がやるの?

ここが会社とDAOの違いで、DAOでは参加者の投票でプロジェクトを決定していきます。
投票の仕組み等は実際のDAOを見ながらの方がわかりやすいと思うので、次の節で解説します。

一旦この節では、DAOではリーダーがいないんだなという理解で大丈夫です。

②匿名で参加できる

また会社を例にして解説すると、皆さんは入社時に本名で面接をして採用されましたよね。

しかし、DAOでは実名を公開する必要は全くないんです。

会社の場合は、面接で名前を匿名で言ってきた人がいた場合、

「こいつなんか怪しいな」ってなりますよね。

ですが、DAOの場合は個人のウォレットとDAOをブロックチェーン上で紐づけているため、そもそも実名にする意味が
ありません。

匿名だからと言って怪しまれることもありません。
また、名前だけではなく国籍や性別等も関係ありません。

つまり世界中の誰もがDAOに参加する事ができます。(特定のトークンを持っている人だけが参加できるDAOもあります)
ある意味で人類が目指すべき場所がDAOの形なのかもしれません。

③ガバナンストークンの所有者が提案する。

ガバナンストークンとは、

ガバナンス=統治,管理
トークン=仮想通貨

ガバナンストークンとはDAOの統治や管理に使用する通貨という意味です。

ガバナンストークンは、DAOに貢献すると発行されます。

ガバナンストークンを所有するメリットは下記です。

  • 投票ができる
  • ガバナンストークン自体を売買する事ができる。

DAOの事例

現在世界にはたくさんのDAOが存在しています。
それぞれのDAOによって活動内容は様々なものがあります。

例えば、雑談をするためのDAOやNFTを集めるためのDAO等このほかにもたくさんあります。

実際のDAOを見た方が理解しやすいと思うので事例を交えつつ解説していきます。

Nouns DAO

Nouns DAOがわかりやすいです。

仕組みは下記の図の通りです。

  • 毎日自動で1枚のNFTがオークションにかけられる。
  • コレクターが入札する。
  • 収益が100%DAOのトレジャリー(金庫)に入る。
  • コレクターはプロジェクトを提案し、可決されると自動的にトレジャリーから資金が送金される。
  • 資金を使ってプロジェクトを行い、DAOを成長させていく。

例えばですが、Nouns内の掲示板で「ウクライナに100万円寄付したい」という提案をしたとします。

その提案に対して、他のコレクターの5%が賛同した場合は次の段階として投票に出す事ができます。

つまり、選挙に出るという事です。

そして、選挙でコレクターの過半数が賛同した場合にトレジャリーから自動で指定のウォレットに
資金が送金されるという仕組みです。

注意点

提案をする事は誰でもできますが、選挙に出る事はNounsのコレクターしかできません。
一般の人が提案を選挙に出したい場合は、コレクターに協力してもらう必要があります。

このDAOのすごいところは、管理者なしで活動しているという事です。

ここで疑問に思うのが、

毎日オークションに出ている、NFTは誰がつくっているの?
送金作業は誰がやっているの?

という事です。

結論は、全てプログラムで行われています。

スマートコントラクトと呼ばれるルールブックの様なものにプログラムが書かれていて、
毎日違うNFTを作りオークションにかける、選挙で可決されたら送金するという様な事が全てプログラムで動いています。

まさにDAO(自律分散型組織)ですよね。全てをプログラム(AI)が動かしています。

ここまでで、DAOの仕組みは理解できたのではないでしょうか?

DAOが実現する事で、勝手に資金が調達されその資金を使ってどんどん組織を発展させていくという夢の様な組織ですが。

まだまだ課題があるのが現実です。次の章では課題について解説していきます。

DAOの課題

DAOって理想的な組織だけど、本当にうまくいくの?

課題は大きく3点あり、下記の通りです。

  • ハッキングのリスク
  • ガバナンス(統治、管理)が上手く機能しない
  • 法の整備

ハッキングのリスク

大きな事件として、2016年に起きたThe DAO事件があります。
この事件では、プログラムのバグを突かれて当時の価格で約52億円が盗まれてしまいました。

最終的には、「既存のブロックチェーンとは別にブロックチェーンを作り、ブロックチェーンを
分岐させる事でハッキングを無かったことにする」という方法で収束しました。

このように、少しでもバグがあると自分の資金やDAOの資金が一気に盗まれるというリスクがあります。

そのため、DAO選びは慎重に行う必要があります。

ガバナンス(統治、管理)が上手く機能しない

これも実際に起きたVenusの事例をもとに解説していきます。

Venusではある提案がされました。

「今の運営チームとは別に、運営チームを作ろう」

というものです。

簡単に言うと運営の乗っ取りです。

出典:Venus

投票の結果は、129万票対119万票で提案は可決されてしまいました。

しかし、その後本来の運営チームによって提案は取り消されました。

ここで思うのが、「それってDAOなの?」という事です。

DAOとは自律的かつ分散的な組織のはずが、最終的な決定権は運営チームが持っている中央集権的な
組織になってしまっているためまだまだ完全にDAO化するのは難しいのが現状です。

また、乗っ取り等の提案も場合によっては可決されてしまうというのが課題としてあります。

法の整備

続いて法の整備が追いついていないという事です。

会社や組織を運営する場合法人税がかかります。

しかし、DAOの場合は分散的に運営しているため誰がどの国に納税するのかが明確になっていません。

例えば、「日本人とタイ人とアメリカ人でDAOを運営しているとします」
その場合、それぞれの国で納税額も変わりDAOは誰のものでもないため納税のルールがありません。

これから、世界中でDAOが普及していくために法の整備が必要不可欠となります。

まとめ

ここまでの内容をまとめると

DAOとは

①中央集権者がいない
②匿名で参加できる
③ガバナンストークンの所有者が提案する。

DAOの課題

①ハッキングのリスク
②ガバナンス(統治、管理)が上手く機能しない
③法の整備

DAOの定義はまだ確立されていないため、人によってDAOの定義は変わってきます。

DAOの未来

ここまで、DAOの特徴や実例、課題を解説してきましたが完全なDAOが普及する事はまだまだ先になりそうです。

先程あげた3つの課題以外にも、そもそも使うのが難しいという問題もあります。

そのため、初めからDAO的な組織を運営していくのは難しいため、まずは中央集権的(リーダー)な運営をしていき
徐々にDAOに近づけてくというのが現実的な流れになると思います。

将来的には、会社で仕事をするのでは無くDAOで仕事をするという人が増えるかもしれません。

DAOの未来は理想的ですが、まだまだ課題も多く残っているので情報収集をしながらDAOの成長を見ていきましょう。

それでは今回は以上になります。ありがとうございました。

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